地下鉄神田駅地下街

千代田区神田須田町1丁目 営団地下鉄神田駅地下道 2002年10月30日


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上野駅周辺がリニューアルされたことで、神田駅周辺のレトロ度は東京一高くなったのではないだろうか。
ガード下の飲食店街は闇市時代の匂いを強く残している。
ここは地下鉄神田駅の須田町がわ改札口に続く地下道である。
マピオン地図(+印)

営団地下鉄の銀座線は、浅草と渋谷を結ぶ日本初の地下鉄道だった。
東京地下鉄道が浅草〜上野間を開通させ、営業したのが昭和2年、1927年12月30日のことである。
神田まで開通したのは1931年11月のこと。つまりこの地下道は作られて70年を経ている。壁面、床面のタイルの色や形に、昭和初期の情緒がそのまま色濃く残っている。

日本でも最初期の地下商店街ということになるのだろうか。
今でこそ「こんなところでよく営業できてるな」と思う侘びしい雰囲気だけれど、当時は最先端のショッピングプロムナードだったのだろう。
現在、残っているのは、靴屋、帽子屋、洋服屋、歯科、理容の5店のみ。
靴屋は修理が主で、売っているのはサンダルの類だけ。
帽子屋もテーラーも、ただ開いているという感じ。ショーケースはガラガラだ。
このうらぶれた雰囲気がたまらなくいい。

歯科の入り口。タイルの壁面が昭和ロマンである。
戦前にタイムスリップしたような気になる。
中はかなり狭い。

理容室の前だけが明るく、平成の現代だ。
駅の反対側、JR神田駅へ向かう地下道はリニューアルされてこの雰囲気はない。
このレトロな地下街はいつまで残されるのだろうか。

この地下街は2011年1月、最後の4店が撤収して、幕を閉じた。
以下は読売新聞オンライン版、20011年2月8日の記事から。
【日本最古、レトロな地下街がひっそり幕】
靴店など4店舗が最後まで営業していた神田・須田町ストア(2009年9月撮影)
現存する国内最古の地下街とされる東京メトロ銀座線神田駅(東京・千代田区)の「須田町ストア」が先月末、ひっそりと幕を閉じた。
靴店や理容店など最後まで営業していた4店がすべて引き払い、今後、駅事務所などに改装されるという。
JR神田駅との乗り換え口と反対側にある須田町ストアは、地下鉄神田駅が開業した翌年の1932年にオープン。戦後の物資不足の時期もにぎわいが続き、66年1月の名簿では食堂、帽子店、カメラ店、旅行会社、歯科医院など23店舗が営業していたことが分かる。
その後、店主の高齢化などで閉店が相次ぎ、88年には旧営団地下鉄と店主らとの家賃値上げ交渉が決裂。以来、店主らが20年以上にわたり従来の家賃を法務局に供託する事態が続いていたが、昨年8月、立ち退き料の支払いなどでようやく閉店に合意した。
天井は2メートル余りと低く、長年、改装も行われず時代に取り残された不思議な空間は、浅田次郎さんの小説「地下鉄(メトロ)に乗って」の主人公の勤務先としても登場する。
戦後すぐに父の仲間が始めた理容店を引き継いだ杉原菖之輔さん(71)は近くのビルに移転した。「移転は寂しいけど、経営者はみんな年を取っているので、立ち退き料が出てほっとした」と話す。他の経営者は立ち退きを機に引退したという。


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