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カバーイラスト 稲村トシゾー
カバーデザイン 田中千寿子


媚態

日本文芸家クラブ編

a45

《収録作品》

睦月影郎『蜜猟の街』
西蓮寺祐『真夜中の淫らメール』
矢月秀作『極上の味』
子母澤類『仮面の蜜戯』
山口香『夢鴬の饗宴』
内藤みか『童貞喪失志願』
館淳一『羞恥の痺薬 恥じらいスタジオ』

《読者からの解説と感想》

 依頼主は元教師、娘の帰宅が遅いので、素行調査をして欲しいという。
 娘が通っているという英会話学校が怪しいと睨んだ猿田探偵は、客を装って同じビルにある風俗店『スタジオ・アップル』に潜入した。
 そこは素人娘がランジェリー姿や全裸でお客に写真やビデオを撮らせるシステムの店で、案の定、英会話学校は、夜のバイトを家族に知られないためのカムフラージュだった。
「さやか」という娘を指名した猿田は、彼女が依頼主の娘であることを確認。
 そうとは知らないさやかは、自分がこのバイトにのめり込んだ経緯を問わず語りに語りはじめる。
 そして……。

 あ、ごめんなさい。グチュグチュつまらないことばかり言って。
 えっ、そのことでお仕置きですか? ほんと? 叩くんですかぁ?
 いいですよ……。あんまり痛くなければ。
 あっ。
 イーッ……。うっ。
 ええ、大丈夫です……。
 あっ。
 ううっ。

 御馴染の猿田探偵の事件簿。
 今回は関係者の談話のスタイルをとっていて、斬新。と同時に、まるで盗聴テープを聴くような、奇妙なスリルと臨場感がある。猿田探偵の取材テープを文字起こしすると、きっとこういう感じになるのだろう。
 ジャンル的には作者お得意の「理想の風俗店モノ」ということになるだろうけれど、今回はホンバンなしのヌードスタジオと、ちょっとおしなしめ。でも、そこがまた妄想を刺激するつくりになっている。
「撮影って一種のセックスなんじゃないか」とさやか嬢が言うように、カメラを介したコミュニケーションにはやっぱりエロティックな空気が漂う。それが男と女ならなおさらだ。かのアラーキー氏も「シャッターを押すことは射精である」(うろ憶えなので、間違ってたらゴメンナサイ)という名言を残しているように……。
 だから時々、カメラをぶらさげて歩いていると、おちんちんをむき出しにしているような恥ずかしさを感じる時がある。
 わたしは撮られるよりも撮る方が好きな人間だけど、もし魅力的なボティを持っていたら、撮られたいと思うに違いない。そして、濡れちゃうんだろうな、きっと……。
 と、いろんなことを妄想してしまいます。
 小説のラスト、密室で何があったのか? 考えただけでドキドキするよね。

                            詩織

《作者より》

執筆中

《初出情報》

『羞恥の痺薬 恥じらいスタジオ』は本アンソロジーのための書下ろし作品です。                   

《書誌情報》

本書は徳間書店より徳間文庫の一冊(に17-5)として文庫判型で刊行された。
デジタルテキストは発売されていない。





ISBN4-19-892025-7
2004年2月15日=第一刷発行
発行=徳間書店
定価=552円+税

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