実寸大表紙へ

カバーデザイン ランドリーグラフィックス金台泰春


秘戯 めまい

a25

《収録作品》

『童貞キラー伝説』牧村僚
『ツキ』藍川京
『新世紀クイーン』睦月影郎
『バイオレンスな宴』館淳一
ほか全10編


《読者からの解説&投稿》

 バイオレンスな宴

 その日、会員制輪姦クラブVOC(ヴァイオレンス・アンド・オージー・クラブ) のセッションに参加した克彦と晶子夫妻は、初参加の美しきビクティム志願者を紹介 される。
 カスミと呼ばれるその女性は、ふっと百人一首の歌を口ずさんだ。
 そしてセッションが開始された。
「一番槍、つけるがいい」
 主催者である「伯爵」の号令のもと、男たちが二人の美しい生け贄に向かって行 く。
「あううう、ひいーッ、ううう」  隣りあったベッドで呻き、悶え、喘ぐ晶子とカスミ。
 それから数日後、晶子はカスミの意外な正体を知る……。

 のちに長篇『美人助教授と人妻』の一部(第六章〜第八章)に組み込まれることに なる短篇。
 もちろんすべての館淳一作品がそうであるように、独立した作品としての輝きに満 ちている。
 まったく違う世界に住む二人の女性が、ひと夜の宴ですれ違うという基本アイディ アの素晴らしさは言うまでもないが、それは同時に、すべてのプレイが一期一会の、 奇跡のようなセッションであるという作者の基本姿勢を物語るものであろう。
 長篇化にあたっては、夫婦の名前が変えられている他、入念な加筆がほどこされた が、そうした加筆部分の中で、特に印象深いのが、こんなフレーズである。

 調教した愛奴を一つの作品とすれば、それもまた人間の表現意欲の一つの現われかもしれない。

 一篇の独立した短篇小説が、他の短篇と結合して起こる化学変化の妙と、それが長 篇小説へと発展してより大きなうねりとなり、さらに別の長篇小説へとリンクして行 く醍醐味を味わうためにも、是非『美人助教授と人妻』をご一読されることをお勧め する次第です。

 詩織(MLメンバー)

《初出情報》

『バイオレンスな宴』……月刊『特選小説』2001年10月号

《書誌情報》

本書は祥伝社社より祥伝社文庫・官能アンソロジーの一(ん1-25)として文庫判型で刊行された。
デジタルテキストは発売されていない。





ISBN4-396-33020-0
2002年1月20日=第一刷発行
発行=祥伝社
発売=勁文社
定価=590円+税

トップ | 著作リスト2