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カバーイラスト 吉田昭夫


禁断 vol.10

特選官能小説誌〜快楽ノベル・アンソロジー集

a 19

《収録作品》

綺羅光『美神繚乱』
牧村僚『慰め妻』
館淳一『姉・調教志願』
ほか全10編


《読者による解説&感想》

『姉・調教志願』

 母親の一周忌の夜、ひさしぶりに姉とさしむかいでビールを飲んでいた弟は、姉の秘めたるM願望を告白される。
 そしてさらに衝撃的な依頼を受けるのだ。
 それは……。

   

 のちに長篇『美人助教授と人妻 倒錯の贄』(参照リスト1No.113)の一部に組み込まれた短篇。
 基本的な話の流れは同じだが、細かい設定やニュアンスの違いなどがあり、別ヴァ ージョンとして楽しめる。
 音楽にたとえるなら、先行シングルとアルバム・ヴァージョン、というよりもリミ ックスと言った方が今風だろうか?
 ちなみに舞台となるのは、「姉・調教志願」が館ワールドでは御馴染みの汐見市、 『美人助教授と人妻』の方は青山になっている。またヒロインの設定も、前者では教 授、後者では助教授。
 こうした些細な差異を発見して行くのも、作者には迷惑かも知れないが、ファンの 楽しみのひとつである。重箱は隅までほじくらなきゃ、ね。
 長篇の雛形としてではなく、独立した短篇としても味わい深い作品である。
是非読みくらべていただきたい。

「まず一本……」
 指が、期待と不安で震える女体の割れ目に挿入される。
「ああ」
「二本」
「う、ううう……」
「三本。根元まで入ってる」
「ううッ、あう、あああ」

 SM小説に登場するM女性って、どこかたよりなげで弱々しいタイプが多い気がす るけど、ここに登場するお姉さんみたいに、フェミニズム運動に深くかかわっている 男まさりの女王様タイプの女性が、実はM女だったなんて設定は、意外な面白さがあ るし、けっこうリアルな感じがするわね。
 フェミニズムが自らの女性と対峙するムーブメントだとしたら、内なるM性を正 視し、それを受け入れ、積極的に生きて行こうとするヒロインの姿って、とっても 凛々しいと思う。

 詩織(MLメンバー)

《初出情報》

『姉・調教志願』…………「小説CLUBロマン」2001年4月号

《書誌情報》

本書は竹書房より竹書房文庫スーパーラブロマン選集の一冊(SL-30)として文庫判型で刊行された。
デジタルテキストは発売されていない。





ISBN4-8124-0742-7
2001年5月2日=第一刷発行
発行=竹書房
定価=648円+税

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