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カバーイラスト 古屋兎丸
ブックデザイン 木庭貴信(オクターブ)
 


SFバカ本

宇宙チャーハン編

アンソロジー16

バカ本だからって……

馬鹿にしないでください!!

全編書き下ろし。奇作怪作妖作ぞろいのSFアンソロジー。

《収録作品》

岬兄悟・大原まり子:編

『スペース・ストーカー』……谷甲州
『アンテナおやじ』……岡崎弘明
『マゾ界転生』……森奈津子
『もちつもたれつ』……岬兄悟
『ヘルシー家族』……村田基
『メロディー・フィアー』牧野修
『超人の代償』……高井信
『宇宙親善料理』……岡本賢一
『われはなまはげ』……高瀬美恵
『お熱い本はお好き?』……館淳一

《読者からの解説&感想》

 宇宙紀元四世紀、大破滅の後遺症からやっと回復しつつある地球に、月共和国立文科大、地球文明史研究室のアゲイ・マキ博士が派遣された。彼女の任務は、氷の下から発見された地球文明の生存者を調査することにあった。
 およそ一世紀前、ハイパー・イスラム主義が支配する地球では、暴君イーエンミーツー皇帝の命によって、すべての書物が破棄された。
 冷凍睡眠で生命を維持し、息を吹き返した美しきアンドロジーナス(両性具有者)・サクラの身体には、その重大な秘密が隠されていたのだ。
 そしてサクラを調査することによって、恐るべき大破滅の真相が明かになる……!

 SFに興味を持ちはじめた小学校高学年の頃、『SFマガジン』(早川書房)が欲しくて、本屋に赴いた。
「すみません『SFマガジン』を捜してるんですけど……」
 本屋のおばさんは、しばし雑誌のコーナーを捜した後、
「『SMマガジン』ならあるんだけどね」
 って言って、その本を持って来た。
『SMマガジン』というタイトルの傍らには「サスペンス&ミリテリー・マガジン」と記されていた。
 うう……、違うんだけどなぁと思いつつ、SMの意味をすでに知っていた小学生は、ひそかに頬を染めるのであった……。
 ま、それはともかくとして……。
 書物の持つエロティックな魅力について描かれた堂々たるSFM(SF+SM)小説であり、官能描写は極度に抑えられているものの、かえって想像力を刺激させられる。
 書物が禁止された世界を描いたSFというと、古典ともいうべきレイ・ブラッドベリの『華氏451度』があるが、隠れた名作として、いしかわじゅん「3001」(『至福の街』奇想天外社、1981年刊、所収)も忘れがたい。
 また、本作は『忠臣蔵』のパロディにもなっている。
 ひとつ疑問に思ったのは、『忠臣蔵』のパロディなら、暴君の名前は「ツーナンヨーシー」とでもなるはずなのだが、そうじゃないのは、作者の深い意図が隠されているのだろうか?

(一時中断)
《まさか、そんな……?》
《こういうこととか。これとか》
《あううう、ひいい、あううう》
(一時中断)

 編者のひとりである大原まり子さんも「あとがき」に書いてらっしゃったけど、こういうのを読んでしまうと、『家畜人ヤプー』みたいなSFM巨篇を読みたくなってしまいます。
 みなさま、淳一サマにおねだりしましょうね。

 詩織(MLメンバー)

《作者から》

『こちらマキちゃん ユーザーサポート会議室』(アンソロジーNo.8参照)に続く館淳一SF作品の第二弾です。
 第一弾に注目してくださったのが岬兄悟さん大原まり子さんのSF作家カップル。
 一夜、お二人に口説かれてОKしたのですが、ポルノの合間にSFを書くというのは、かなり大変な、しかし楽しくてならない作業でした。

 紙にしろデジタルデータにしろ、“本”というものがすべて禁止された時、ひとはどのようにして文字情報を記録するか――。奇想天外な“本”の物語です。
 ポルノグラフィーを愛するすべての読書人に捧げます。(笑)

《書誌情報》

本書はメディアファクトリーよりSFバカ本シリーズの一冊として四六判型にて刊行されました。

本作品は2007年9月、小学館文庫より刊行された『笑止〜SFバカ本シュール集』(リストNo.a77)に再収録されました。




ISBN4-8401-0173-6 C0093
2000年11月17日=第一刷発行
発行=株式会社メディアファクトリー
定価=1400円+税

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