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カバーイラスト 吉田昭夫


スーパーラブロマン選集

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《収録作品》

『義父の跫音』北沢拓也
『湖畔の処女開封』南里征典
『快楽の杜』北原双治
『踏みつぶす女神』館 淳一
など全9編

《読者からの解説&感想》

 松男と早紀。
 汐見市の不倫カップルは「ジャック&ベティ」という名前でマニアの専門誌『SM プレディター』の取材を受ける。
 小学生の頃、担任の女教師に頬をぶたれたことがきっかけで、自らのM性に目覚め た松男は、同級性の少女たちに集団リンチされることによってエクスタシーをおぼえ た。
 そんな松男にとって、絶好の女王様として現われたのが、早紀だった。
 ふだんは職場の社長と社員のふたりは、女編集者とカメラマンの前で、倒錯したプ レイを披露する。
 そして……。

   

 なんともすさまじいタイトルだが、そのタイトルにも勝るマゾヒズム小説の傑作!
 館作品では御馴染みの汐見市を舞台に、地方都市に住む市井のマニアのとどまると ころのない変態プレイが、初期作品を彷彿とさせるタッチで描かれる。
 ヒロインが名乗る「ベティ」とは、もちろんベティ・ペイジのこと。
『SMプレディター』という誌名も、近年の作品に頻繁に登場し、未だ全貌を現わさ ない巨大なジグソーパズルの一端を担う重要なピースであると思われる。
 一抹の悲哀を漂わせつつ、マゾヒズムの果てを描くラストは悶絶もの!

「きみの足で踏みつけてくれないか。そうすると勃つ」 「うそ。どれどれ……。わ、本当だ」

 あ、ううう……、あううっ!

 詩織(MLメンバー)

《作者より》

小説作家の楽しみは、いかに読者の予想や期待を裏切るか、にあります。(笑)
すぐれた作家のすぐれた作品であるほど、読者は予想を裏切られ裏切られ、とんでもない世界へと導かれてゆきます。
それはポルノでも同じなはずですが、どうも読者の大半のかたが望むのは「予定調和」の世界のようです。裏切られることを好まない。男と女が出会って予想どおりのことをして盛り上がり、終わらないと収まらない、そういう傾向があります。
そういう読者に一番向いてないのが館淳一の作品だと思います。
絶対、読者の期待どおりに始まらないし、盛り上がらないし、終わらない。(笑)
この作品は、いわゆるM男ものですが、読者の期待(想像?)されるようなM男もサデスティンも登場しません。
物語性も非常に希薄です。
「そんなの面白くな〜い」
そう思ったあなたの先入観は、裏切られるはずです。(笑)

《初出情報》

『踏みつぶす女神』…………「小説宝石」1998年7月号

《書誌情報》

本書は竹書房より竹書房文庫の一冊(SL-6)として文庫判型で刊行された。
デジタルテキストは発売されていない。




ISBN4-8124-0423-1
1998年10月28日=第一刷発行
発行所=竹書房
定価本体524円+税

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