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カバーイラスト 須川まきこ
カバーデザイン 鳥井和昌


淫霧

(いんむ)

140
《収録作品》

『ミストレスの扉』
『父の秘密』
『箱』
『眠る人妻』
『秘術』
『未亡人倒錯注意報』
『シュート』
『淫霧』


《読者からの解説と感想》

待受け中

《作者より》

小説誌『問題小説』に発表した作品で編んだ短編集です。
『問題小説』は錚々たる作家がずらり顔を並べている文芸雑誌ですから、ちょっと身構えてしまうところがあります。
ぼくの持ち味は「フツーじゃない官能小説」の「奇妙な味」にあると思うのですが、『問題小説』に書く時は、その意識がさらに高まって「フツーじゃないヘンテコリンな味の官能小説」になってしまいがち。
その見本がこの短編集ですね。「分かる人には分かる」奇譚官能の味とでも言いましょうか。(苦笑)

『ミストレスの扉』は、性欲をもてあました青年が、盛り場でふと出会った女に誘われるまま、とある店へと連れこまれる話。
そういうところは「ぼったくり」と決まっているんですが、このお店で彼が奪われるのはお金ではなく別のものでした。
はは、思わせぶりですね。(笑)

『父の秘密』は、父親の愛人だった女に、息子が頼みごとをするという話です。
父親は「どうにも困った時は彼女に頼め」と言うので、本当に困った時に訪ねた息子は、妖艶な熟女がとんでもない能力を持っていることに驚かされます。それも、その能力というのは、とんでもない時にしか発揮できないものなんです。驚きましたね。(笑)

『箱』は、小さな箱に詰めこまれることで性的エクスタシーを得る女の話です。当サイトのダウンロードコーナーには「快楽梱包術」という短編が掲載されていますが、「詰め込まれる快楽」という点では同じです。

『眠る人妻』は、とても奇妙なプレイを専門にする風俗店に勤める人妻の話です。いろんな風俗店はあると思いますが、こういうプレイを実行しているところは無いのでは。あったら教えてください。

『秘術』は、地方都市に住む叔父夫婦のところで一夜を過ごすことになった甥が目撃したことです。まあ、そういうことです。タイトルの意味は最後まで分かりません。(笑)

『未亡人倒錯注意報』は、最初は冴えないファミレス勤務のおばさんがどんどん魅力的な熟女に変身してゆく謎を追究します。

『シュート』はサラ金に追いつめられた男が最後に見つけた、とんでもないアルバイトのお話。彼はそのバイトを通じて自分に隠されていた超能力に目覚めます。

『淫霧』は霧に包まれた高原の別荘地で迷った女性がふと辿りついた別荘で出会った不思議で夫婦との、この世のものとは思えない淫らな交際を描く奇妙キテレツな物語です。

――どうですか、読んでみたくなりませんか?  フツーの官能小説ではモノ足らなくなったあなたにぴったりの、いっぷう変わったセクシャル・ファンタジーを満喫してくださればと思います。


《初出情報》

いずれも『問題小説』誌(月刊。徳間書店刊)に掲載。

『ミストレスの扉』(2003年2月号)
『父の秘密』(2004年3月号)
『箱』(2003年7月号)
『眠る人妻』(2004年6月号)
『秘術』(2002年11月号)
『未亡人倒錯注意報』(2001年10月号)
『シュート』(2004年8月号)
『淫霧』(2005年2月号)

《書誌情報》

本書は徳間書店より徳間文庫の一冊(た53-1)として文庫判型で刊行された。
デジタルテキストは発売されていない。





ISBN978-4-19-892560-4
2007年2月15日=第一刷発行
発行=徳間書店
定価=571円+税

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