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カバーイラスト 妃 耶八


オフィス狩り

淫虐の性獣契約


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瑞々しい肢体を玩弄する魔手!
美人OLたちは肉奴隷に墜ちて…

さっきまでは手と口だけの存在でしかなかった夢魔は、いまはずっしりとした体重と火照る肌の感触を持った一個の生き物――牝獣となって洋介を快楽の道具として用い始めた。
ゆっくりと、腰をくねらせるようにしながら同時に体を持ち上げては、また沈める。牝の濡れた穴器官にくわえこまれた、熱い脈動している茎棒は相対的に肉のピストンとなって摩擦が発生した。
根元までめりこみ、次は先端が抜けそうなほどまで後退するたび、グチュッ、ズボッ、ヌチャッ……という淫靡な摩擦音がたつ。
(これは、たまらない……)
洋介は自分が一匹の牡獣に化してゆくのをどうすることも出来なかった。

《読者からの解説&感想》その1

社員旅行の夜、洋介は謎の女によって眠らされ、犯された。
手がかりとなるのは、黒いレースのパンティと香水の残り香・・・。
犯人はこの会社の中にいるに違いない。
洋介はまず、黒いパンティの似合いそうな女性として、秘書課長の日野公子をマークするが、ロッカールームで意外なものを発見した。
美人秘書課長と企画課の松永千穂が全裸でたわむれあうレズビアン写真!
ひょんなきっかけで千穂と接触することに成功した洋介は、彼女が公子のレズ・ペットであり、恥ずかしい格好で出勤を強制されていることを知る。
次に洋介がマークしたのは、文書課の宝田絵里奈だった。
アナル・プレイが大好きな絵里奈を狂わせて、社内でOLたちが情報交換しているメーリングリスト、通称「井戸端メール」の存在を知り、以後、アナル・ファックをしてあげるかわりに、情報提供してもらう約束をかわす。
続いて彼の捜査網にひっかかったのは、旅行の夜、酔った自分を介抱してくれた十八歳の新人OL、厚生課の松井桃香だった。
しかし、桃香もまた、何者かによって昏睡に陥り、恥ずかしい写真を撮られた上に謎の人物の指令によって、毎日通勤電車の中で、複数の痴漢にいたぶられる犠牲者だった。
「あの……、私の処女を奪ってください」
桃香のせつない懇願によって、彼女のバージンを頂戴した洋介は、謎の人物Xの正体を暴くべく、痴漢たちの待ちうける通勤電車へと乗り込む。

推理小説風のストーリー展開が楽しめるサラリーマンものの官能小説。
ハードなSM描写はないものの、犯人捜しをしながら、ちゃっかり社内の美人OLたちを総ナメにしてしまう主人公の行動が爽快感を与え、良質のユーモアさえ漂う娯楽作品に仕上がっている。
ディープな館淳一ファンには、少々物足りない作品かも知れないが、濃いSM作品を読んだ後にには、一服の清涼剤といった趣きがあり、身体が軽くなったような気にさせる一冊である。
学生時代ロックバンドをやっていたという主人公の設定に合わせて、濡れ場の描写に音楽的な比喩を挿入する、したたかなエンターテナー振りも楽しい。

「あうー、うぐああぐ、死ぬー、ぐー、ああああ、またイグう、えぐうぐ、ぎー、ひいいっ、あう、うー……!」
                    (第四章 蠢く襞肉器官への射出)

クライマックスは「第九章 痴漢集団の淫ら指戯」ね。
情報収集のために、桃香チャンを痴漢集団の待ちうける通勤電車に送り込む洋介クン。痴漢たちのテクニックに感じてしまった桃香チャンは、パンティまで脱がされて・・・。
ハラハラドキドキの展開です。

 詩織(MLメンバー)

《読者からの解説&感想》その2

 これ読むといろんなタイプの女の子とライト感覚でSMエッチができます。出てくる女の子がそれぞれ愛おしい。一日一章ずつ読むと、毎日御馳走三昧って感じです。
 青年の成長物語でもあったりするので、主人公になりきると小気味いいです。
 あと、文体が若々しい(?)というか、なんだか雑誌ポパイとかブルータスが大売れしていた頃のライターっぽいです。
 読んでいて思い出したことがあります。
 少年マガジンでの漫画原作やプロレスラーのルポを手がけるイタバシさんという作家が、あるインタビューで「自分が勝手に思っていることだが、師匠は館淳一さん」と語っておりました。

 週刊『プレイボーイ』誌のアンカーマン時代に、新人の彼は、書いた記事を添削してもらったそうです。すると、翌週には自分が記事の中に使った「若者の流行言葉」が自分よりも効果的に、館さんの書いた記事に使われている。
 それを読んで、なるほどこういう使い方をすればいいのか、と勉強したそうです。
 恐るべし館淳一!
 この作品や「黒下着の人妻・秘密の倒錯通信」でのテンポのいい軽めの文体は週刊誌ライター時代にとったきねづかなのでしょうか?

 BB(MLメンバー)

《読者からの解説&感想》その3

 社員旅行中のある夜、ある男性の淫夢の描写から話が始まりまるのですが、これがエロチックでいきなり初っ端から興奮してしまいました(笑)
 でも これは実は夢ではなく誰かの仕業だったのです。
 男性は 自分が眠っている間に誰がそんなことをやったのかと、後日社内で捜査をしていきます。
 捜査をしている間に何人かの女子社員と関係を持っていくところなどは「コイツ美味しいことしてるな」なんて思いましたけど(笑)
 それと美人秘書課長が出てくるのですが、女子社員とのレズプレイでいいなりにさせたり、自分の専務を女装マゾ奴隷にして責めているところなどは「カッコイイ〜!」なんて思いました(笑)

 メグ(MLメンバー)

《作者より》

これは1998年の春、スポーツニッポン紙に連載された『シンデレラの下着』をまとめたものです。
一般読者の要望に応えるために、マニア向けの濃厚すぎる描写は、新聞では抑制されざるをえません。
もちろん、単行本化にあたっては、新聞では許されない表現、描写、また割愛されてしまった当事者たちの背景などはもっと詳細に書き込まれて、官能小説としての完成度はずっと高くなっています。
連載を読まれたかたも、保存用としてお求めになっても損はありません。(笑)

媒体の性格上、主人公はぼくの作品には珍しく(^_^;)若いサラリーマンです。
リストラ寸前のダメ社員なのに、突然、謎の女が彼を逆レイプします。
女のいいように玩弄されてしまっては、男としてのメンツが立ちません。主人公は好奇心もあって犯人を探しにのりだします。
困ったことに、主人公は意識不明にされているので、犯人が誰で、どういう目的で自分を犯したのか、見当もつきません。
分かっているのは、同じ社内のOLに違いないということ。
彼は残された下着から匂いたつ官能的な香水の芳香を頼りに、女たちの間を探索します。犬ですね、まるで。(笑)

というふうに、これまでの重厚、沈着な(どこが(^_^;))作風とはひと味違う、軽妙 なミステリー・タッチの仕上がりとなっております。もちろんスパンキング、アナル ファック、下着フェチ、女装のマゾヒストにお約束の女王さまも登場しますので、飽きるということはないかと思います。

(追記)BBさんが記している「イタバシ」氏とは、現在、小説家、マンガ原作者として活躍している板橋雅弘氏。BBさんがご覧になったのは98年2月号『別冊宝島423:雑誌のウラ側すべて見せます!』に書いた『アンカーマンと、ぼくと、ふにー』なる回想談。1980年代中期、ぼくらは同じ週刊誌のアンカーマンとして机を並べて書きまくる毎日だった。ぼくは彼の文才に敬服し、「文豪」と呼んで常に奉ってきた。彼はからかわれていると思っていたらしいが、本心からである。その証拠にイタバシ氏はのちに週刊少年マガジン『BОYS BE……』の原作者として大変に稼いで、ベンツを乗り回している。ぼくは10数年、同じアコードを乗り回している。どちらが文豪か、これだけでも分かるだろう。(笑)もの書きはSMなぞ書いては食ってゆけないのである。

《初出情報》

スポーツニッポン新聞 1998年4月1日〜7月31日まで、118回にわたって連載。

《書誌情報》

本書はマドンナ社マドンナメイト文庫より文書判型にて刊行された。
(シリーズ通しNo.た1-25)
2001年9月現在、他の媒体での発表はされていない。





ISBN4-576-98134-X
平成1998)年10月25日=第一刷発行
発行=マドンナ社
発売=(株)二見書房
定価本体495円+税

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