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カバーイラスト 石川五郎


猥褻騎乗

叔母の童貞しぼり

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「玲央、あなたの精液を飲ませてちょうだい!」
甥の陰茎を咥えこむ叔母、豊満な肉体で覆い被さる熟女。
二人の美女の淫戯に繰り返し熱い樹液を迸らせながらも、
下半身を貫く快感の痺れに魅き寄せられて、
際限もなく若いペニスをいきり立たせてゆく――

《読者からの解説&感想》

 現代版『若きドン・ジュアンの冒険』といった趣きの作品。
「現代版」であると同時に「電脳版」でもあるところが心憎い。
 現実の世界で描かれるのは、実の叔母とそのレズメイトに精液を飲ませるという奇 妙なアルバイト。
『近親の架刑』では、処女の愛液が回春の妙薬として描かれるが、童貞の精液が更年 期障害に効くというのは初耳である。
 もしこれが本当なら、世の童貞諸君、みだりに童貞を捨ててはなりませんぞ。
 面白いのは、主人公の少年が、熟女二人とさまざまな性的遊戯を楽しみながらも、 童貞であり続けるという設定である。
 そう、童貞はやっぱり、この人と思い定めた愛しい人に捧げなくっちゃ、ね。
 一方、電脳世界で描かれるのは、相手の顔も素性もわからないままに展開する仮想 セックスである。
 いわゆる「チャット・セックス」「チャH」と呼ばれるものだ。

《感じるでしょー、気持ちいいでしょー、姫のフェラチオは。さあ、これからいよいよ本格的に責めてあげるから覚悟してね……。舌をね、キミの裏筋に当てて、下から上……、上から下へとツツー、ツツー……、パクッとくわえて強く吸って……、ほら、お口をすぼめてくちゅくちゅ。チューと吸ってあげる。あらまあ、キミ、もうヘロヘロみたいね。おツユもいっぱい出てきたー。このちょっと塩からいのがいいのよね。飲んであげる。ほら、チュッとくわえてチュルチュル……》

                 (第三章 極彩色の画像)

 これは想像力のゲームである。
 ある意味で、テレフォン・セックス以上の言語表現力を要求される。
 忘れてはならないのは、ネットの世界は基本的に仮想現実であるとしても、その向 こうには、確実に生身の人間が存在しているということである。
 コンピュータ・ネットワークの普及は、人間のコミュニケーションの在り方を劇的 に変えて行くかも知れない。
 そしてSM作家・月館影一郎(微笑)が登場する。
「館淳一アブノーマル談話室」に参加しているMLメンバーなら、ここで眩暈のよう なメタ・フィクション感覚に襲われるに違いない。
 一見単純な楽屋落ちに見えるが、ここで物語は、仮想と現実の境界線を縦横に行き 来しはじめるのだ。
 まさに電脳作家・館淳一の面目躍如たる展開である。
 こうして現代の若きドン・ジュアンは、アポリネールが想像もしなかったに違いな い至福の快楽世界へと足を踏み入れて行く。

「いいですよ、夢を見ましょう」

                  (第十章 倒錯の嬲姦)

 出会い系サイトの弊害だとか、それを利用した犯罪だとか、とかく世間はこれみよ がしにネットの負の面ばかりを取り沙汰したがるけど、ホントにステキな出会いだっ て、あるのよ。

 詩織(MLメンバー)

《作者より》

1996年〜1997年にかけて『週刊プレイボーイ』誌に連載され、このホームページでも一週遅れで連載を続けた『僕のどきどきサイバーネット』を一冊にまとめた ものです。
連載をお読みになられたかたは、あえて購入されなくてもよいでしょう。ただ、連載では媒体の都合上、やむを得ず温和な表現にした部分は思いきり過激に加筆しております。たとえば謎のサイバーヒロイン「ともろぅ★姫」とベッドインするところなどですね。(微笑)

『僕のどきどきサイバーネット』をまだ読まれていない方へ。
主人公の玲央は17歳。童貞の高校生です。美人の独身叔母さんから提案された奇妙な申し出を受け入れることで高価なパソコンを贈られた。
そのパソコンを駆使して飛び込んでいったのは『サイバーネット』というパソコン通信ネットワーク。その彼をたちまち絡めとったのは、正体不明のネット美女、ともろぅ☆姫だった。
現実世界では、叔母さんと、彼女のレズパートーナーの熟女も加わり、童貞少年の肉体はさんざん翻弄され、熱いエキスを絞り取られる日々。
仮想のネットワーク世界では、ポルノ作家・月館影一郎らさまざまな人間と出会い、玲央は、セックスについて抱いていた先入観を打ち砕かれる。そしてある日、あこがれのサイバー美女、ともろぅ☆姫と現実に対面することになった……。彼女はいったい何者……?

――というわけで、仮想現実が支配する電脳ネットワークの世界における、セックス、ジェンダー、セクシュアリティの問題を深く鋭く追究した話題作です。
男と女(だけ)のセックスに飽き足らない人には必読の書!……かな?

余談ながら、後半部、都心のホテルで開かれた、月館影一郎の主宰するオフ(オフライン・ミーティング)は、当時Nifty-Serveの電子会議室『館淳一アブノーマル談話室パティオ』のメンバーを集めて行なったオフの実況をほとんどそのまま記述してある。
楽屋オチではあるが、オフ会の楽しさを読者に知ってもらうための試みとして、許されていいだろうと思う。(笑)

《初出情報》

本作品は『僕のどきどきサイバーネット』というタイトルで、『週刊プレイボーイ』誌に、1996年No.45(11月5日号)〜1997年No.22(5月27日号)にわたって連載された。
単行本化にあたっては大幅に加筆されている。

《書誌情報》

本書はマドンナ社よりマドンナメイト文庫シリーズ(た1-24)として文庫判型で刊行された。
2001年現在、他の媒体では発表されていない。





ISBN4-576-98020-3
1998年3月25日=第一刷発行
発行=マドンナ社
発売=二見書房
定価本体495円+税

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