実寸大表紙

カバーイラスト 石川五郎


女神の双頭具

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闇の中に妖しく蠱惑的なボディを浮かびあがらせる女神レジーナ――
淫らで美しいサディスティンたちの専属奴隷試験に挑んだ美少年たちは、
被虐の快感と恍惚に酔いしれていく……。

女たちに服従するMの快楽!
被虐の喜びへとあなたを誘う

《読者からの解説&感想》

 これは 初めて私の中の「S性」を揺さぶられた作品です。
 女装を趣味とする2人の若い男性が、あるきっかけで、SMクラブで調教M奴隷として通用することができるかどうか、という「健康診断」をある女医の邸宅で受けることになります。
 普通の身体検査の他に、男性機能の検査が中心となるのですが、この検査のやり方がすごいのです。
 検査の助手をしているのもシーメールで、検査をうける2人も女装者。
 この3人がお互いの体を使っていろんな形でテストをさせられます。
 男性器をお互い舐め合わさせたり「ところてん」状態になったり。。。(「ところてん」の意味は読めばわかります 笑)
 女医宅で大体のテストを受けた2人は、店に連れて行かれてそこで最終試験を受けさせられます。
 そこでは 激しい鞭打ち・・・
 しかしこの2人、最終試験が終わるまでの間に何度射精したことか・・・元気!(笑)
 私も読みながらその場で見ている気分になり、
「よし、またイケ!」なんて思わず力が入ってしまいました(爆)
 興奮しましたねぇ。
 ほんとに 自分の中のS性を再確認しました(笑)

                          メグ

《読者よりの解説&感想2》

 一次審査は、“シネマ・レベル3”というミニ・シアターで行われた。
 女装趣味のある敏彦は、パソコン通信で知り合ったレジーナというサディスティンに誘われ、彼女の専属奴隷になるための試験を受け、映画館の女子トイレでアヌスを犯され、聖水を飲まされる。
 数日後、レジーナからの電話で一次審査を通過したことを知らされた敏彦は、指定された酒場“穢夢”で、レイカという女性にセーラー服を着せられ、ヴァンに乗せられ、いずこかへ連れられて行く。
 ヴァンにはすでに先客がいた。敏彦同様にセーラー服を着せられたひろ美という女装少年だった。ふたりは、これからレジーナの専属奴隷の座をかけて競うライヴァル同士だった。
 ふたりの女装美少年は古びた洋館の中に連れ込まれ、レジーナ立ち会いのもとで、女医・令子によって徹底的な身体検査を受ける。
 婦人科診察台の上で下半身を晒し、肛門の奥まで覗かれる過酷な診察に耐えるひろ美・・・。
 続いて敏彦が診察台に上げられる。
 アヌスで感じることを見抜かれた敏彦を見ながら、レイカがレジーナに囁いた。
「この子たち見てて、さっきからムラムラしてるの。精液検査させるのなら、私にやらせてくれない?」
「トコロテンで出させるというの?」
「そういうこと」
 レイカがTバックショーツを外すと・・・。

 女装版『O嬢の物語』とでもいうべき傑作。
 クライマックスの壮絶な鞭打ちシーンはまさに絶品!
 読者の内なる被虐願望を刺激する禁断の書でもある。
 この作品を第一作とする二見書房のMM(マドンナ・ミストレス)文庫は、残念ながら数冊で打ち切りとなったが、姉妹篇ともいうべき『妹の肉玩具』ともども、非常に密度の濃い仕上がりになっており、盛り込まれたモチーフの数々は、その後の館作品で趣向を凝らして変奏されることになる。
 また、プロローグで示された印象深いシーンは、ラストで驚愕の展開を見せて、館世界のもうひとつの重要なモチーフへと繋がって行く。

(ぼくは、ここで、この人によって鞭打たれるために生まれてきたのかもしれない。だったら鞭で殺されても、それはぼくの運命だ。ぼくがこの世に与えられた役割を果たしたことになる……)
                         (第八章 最終試験)

 この作品には思い出があるわ。
 あたしは雑誌に掲載されたこの作品の冒頭部分を、とあるSMクラブの近くにある、小さな公園で読んでいたの。指名したM女を待ちながらね。
 やって来たM女とともにホテルの一室に入ったあたしは、お気に入りの黒のスリップ姿になって、M女を縛り、鞭打ち、自慢の脚を舐めさせてやったわ。
 でも、そのうちに我慢が出来なくなってしまった・・・。
「あたしを縛ってごらん」
 M女があたしを亀甲縛りにする。
 あたしは言ったわ。
「その鞭で、あたしを打って・・・」

                        詩織

《作者より》

マドンナメイト文庫は、ノーマルあるいはS系の男性のための官能小説を主力としていましたが、何を思ったのか(笑)、突然、アブノーマル度の強い、M系男性S系女性のための新シリーズを打ちだしました。
そのMM(マドンナ・ミストレス)文庫シリーズ第一号がこの作品です。

女装させられた美少年二人が冷酷そのもののミストレスに、責められ具合を競うという、奇想天外(笑)なアイデアは長年温めていたものです。

この作品はおかげさまで、市場的希少価値のせいか?MM文庫としてはよく売れたほうだそうですが、後発作家の作品が続かず、ぼくの「妹の肉玩具」を含めて数冊刊行したところで、MMシリーズはあえなく打ちきりとなりました。
やはりM男性S女性向けの市場は、当時も成熟していなかったのですね。

冒頭シーンで、映画館でミストレスと出会い、女性用トイレで責められる――というシチュエーションにそそられたかたが多く、SMクラブの女王さまたちから「『映画館で責めてほしい』という奇妙な?注文が一時殺到して困った」と聞かされたことがあります。
よいこは真似をしてはいけません。(笑)

最近(2001年)、ぼくのこういった傾向の作品に対する読者からの希望が多く、出版社からも「また考えましょうか」と声がかかるようになりました。
市場は成熟度を増してきたのでしょうか。

(追記)風の吹きかたが微妙に変わったのか、マドンナメイトではミストレス・シリーズの復活を企画し、その第一弾として、2003年2月にぼくの書下ろし長編『女神の快楽玩具』を刊行しました。
そして第二弾に、この作品と新しい書下ろし中編『姉はミストレス』を収録した『女神たちの館』を刊行してくれました。
さて、ミストレスものを渇望する風は吹きやむでしょうか、それとも追い風となって第三弾、第四弾と続くでしょうか……。

《書誌情報》

本書はマドンナ社よりマドンナメイト文庫シリーズ(た1-18)として文庫判型で刊行された。
上述のとおり、本作品は2003年6月刊の『女神たちの館』(た1-39)に再録されている。





ISBN4-576-95091-6
1995年6月25日=第一刷発行
発行所=マドンナ社
発売=二見書房
定価=500円(本体485円)

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