実寸大表紙へ

カバーイラスト 新井田孝
カバーデザイン 吉原夢良
 


兄妹・凌辱交姦

65

《読者からの解説と感想》

 聖美女学園高校の二年生・松永綾香は、ある日「ゆん」と名乗る見知らぬ下級生か ら手紙をもらった。
 その手紙には、自分を慕いながらオナニーにふける少女の告白が綴られていた。
 同じ暗い夜空の下、どこかの家の個室のベッドで、ゆんという少女が自分の体を愛 撫し、秘めやかな部分を刺激している。
 興味を持った綾香はゆんに返事を書いた。
 こうして奇妙な往復書簡が二人の少女の間に交わされるようになる。
 互いの恥ずかしい体験を告白し合い、次第に心を開いて行った綾香とゆん(見城美 悠紀)は、とうとう本館の時計室で出逢い、同時に濃厚なレズビアン・カップルとな った。
 しかし、そんな二人の行動を不審に思う人物がいた。
 図書館司書の蒔田恭子だった。
 恭子は理事長とともに、学園の裏である秘密の事業に関与していた。
 一方、自分の妹が先輩とのレズビアン・プレイにのめり込んでいることを知ったゆ んの兄・達男は、綾香の兄・和樹を呼び出し、ある計画への参加を要請した。
 かわいい妹たちをレズビアンから救い出すための治療……相互レイプ計画!
 二人のレズッ娘たちに、二重の罠が仕掛けられる。
 そして「女子高生博物館」とは……?

 レズッ娘二人組が活躍するストーリーは傑作『セーラー服恥じらい日記』『セーラ ー服下着調べ』を彷彿とさせる。舞台が白萩学園中等部であったなら、そのままパー ト3としても通用しそうな作品である。『恥じらい日記』で印象的に使用された時計 室も登場するし、ね。
 ただし、『恥じらい日記』『下着調べ』のレズッ娘コンビは、もう一人を仲間に加 えてトリプル・レズビアンになる点、そして自らが探偵役となって事件を解決して行 くという点で、若干、趣きは異なるのだが……。
 でもまあ、堅いことは言わずに、楽しんだ方が勝ち!
 本作でまず楽しいのは、綾香とゆんの交換日記のような手紙である。
 一人称の告白体で書かれた二人の手紙は、それぞれのキャラクターに合わせた文体 で描き分けられていて、巧妙である。
 特にゆんの文体は、官能小説の革命児にして一人称の達人・宇能鴻一郎の文体模写 のような味わいがあり、絶妙だ。

「かわいいクリちゃん。かわいいおしっこの穴、かわいい膣の入り口……」
 淑絵さんはいちいち刺激している場所を口に出して舌を動かすんです。ゆん、あん まり気持ちいいので、たまらずにお尻を浮かせたり落としたり、恥ずかしい動きをせ ずにはいられません。淑絵さん、そきうち指も総動員してきました。左手は毛の丘か らクリちゃんまで、右手は膣からお尻の穴まで。お尻の穴なんか指を入れられちゃっ た。
「あーん、そんなところ、触らないで!」
 ゆんが半泣きで頼んでも、やめてくれないんです。

                        (第三章 大人の女のひと)

 一般に官能小説では一人称は御法度とされているようだが、使い方次第では効果的 な文体だと思う次第である。名手・館淳一ならなおさらだ。
 また、館作品で濃厚なミステリ的手法も冴えている。
 兄たちが計画する相互レイプとは、ミステリの定番のひとつである「交換殺人」の ヴァリエーションであることは言うまでもない。
 彼等の意識の中で、これは「犯罪」ではなく「治療」であるところも、この作者ら しい気配りである。
 そしてプロローグでその存在が暗示され、第十四章で全貌が明かになる「女子高生 博物館」という趣向は、そのものズバリのタイトルを持つ『女子高生博物館』という 作品で再現され、変奏されることになる。

 詩織(MLメンバー)

《作者から》

執筆準備中。

《書誌情報》

本書はフランス書院よりフランス書院文庫シリーズ(通算ナンバー0568)として文庫判型で刊行された。
デジタルテキストはフランス書院サイトより有料ダウンロードされている。




ISBN4-8296-0568-5
1994年8月10日=第一刷発行
発行所=フランス書院
定価=500円

トップへ | 著作リストへ