実寸大表紙へ

カバーイラスト 西村春海
カバーデザイン 吉原夢良 


姉と弟・性隷の絆

(上)羞虐編

52

「わたしを縛ってください」
秘密の匂いのするDIS研の勉強会。
その教材として自ら志願し裸身をさらす
咲恵の心に刻まれた哀しい思い出が、
19歳の若い女体を疼かせ、濡らす。
館淳一アブチックワールド、迫力の序章!

《読者からの解説と感想》

【出会い】この作品は,私が生まれて初めて買ったフランス文庫であり,当然,館作品に触れた最初の機会であった。当時仕事の上のxxな問題で煮詰まっていた私は,出張中に拾った週刊誌の書評欄に「館作品はよく書けている」という一文を見つけ,半ば自暴自棄で(苦笑)書店に走ったのであった。

【梗概】弟と二人暮らしで司法書士事務所に勤めるサキこと咲恵は,ふとしたことから所長が開催している「勉強会」の実態を知ってしまう。サキは志願して緊縛撮影会のモデルとなるのだが,「教授」と呼ばれる男の奸計によって弟の多加志とともに誘拐されてしまう。拷問の過程で父親との近親相姦の過去が明らかになるサキ。先に誘拐して奴隷としたモデルの裕美を助手に使い,姉弟を相姦させて快楽をむさぼる「教授」。しかし失踪したサキの身を案ずる所長たちの捜索とサキたちの協力で,「教授」こと中原研一の命運は尽きる。

【山場】
・・・黒髪を振り乱し,目を閉じ,唇からよがり声を噴きこぼしながら体を上下させる姉の姿は,この世のものとは思えない凄絶な輝きに満ちていた。

邪悪な「教授」の欲望のままに「堕ちていく(あるいは上り詰めていく)」姉弟の描写は秀逸。

【批評】館淳一の初期のハードボイルド的作風が現在の「作中人物へのやさしい眼差し」に移行する過渡期的作品。あえて深読みをするなら,「教授」は古い館淳一の,「所長」は新しい館淳一の,それぞれ分身として見ることができる。エピローグにおいて,咲恵と裕美は猿轡をかまされ,セクシーなランジェリー姿で所長たちの前で舞台の上に緊縛されている。弟の多加志は「姉弟相姦ショー」をさえ企画する。こうして「教授」の歪んだ欲望はその「歪み」を取り払われて聖化され,肯定される。

 ぬる(MLメンバー)

《書誌情報》

本書はフランス書院よりフランス書院文庫シリーズ(通算ナンバー0447)として文庫判型で刊行された。
デジタルテキスト、他の媒体では発表されていない。




ISBN4-8296-0447-6
1992年9月10日=第一刷発行
発行=フランス書院
定価=450円(税込)

トップへ | 著作リストへ