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カバーイラスト 西村春海
カバーデザイン 吉原夢良 


女医・秘密診察室

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はだけた白衣の下は黒いストッキングだけ。
患者に乳房と恥丘を触らせて微笑み、
繊細な指を股間へ這わせてしごく令子……。
秘密の部屋で、夜ごと行なわれる診察は、
性研究という名の淫靡な心地よい治療だ……。


《読者からの解説と感想》

 女医令子は父の医院を引き継いだ時に第二診察室をつくりました。
 この第二診察室で、行われているインポテンツ・女性の冷感症、不感症・診察マニアの診察・治療のお話です。診察・治療のくわしい内容は読んで理解して下さいね。

 インポテンツ(ED)の治療と言えば、「バイアグラ」を思い出す人が多いですよ ね。令子先生は、診察で一人一人の願望を聞いて叶えるという方法で治療をしています。
 これって、心療内科の治療として理想の治療法だと思います。

 エッチに罪悪感を抱いた女性の冷感症や不感症の治療に「先行懲罰」のスパンキングが女性のマゾヒズムを引き出すのに有効とあります。
 チコもM女(看護婦)の調教の時に最初にきびしく叱責しながらスパンキングをします。
 M女はプライドを忘れて、チコの調教を素直に受けます。そして、淫乱なM女になるのです。
 これは、令子先生の治療の「先行懲罰」と同じかしら?

チコは、令子先生のようにひとりひとりの患者に応じた診察・治療をしたいと思って います。チコの理想の女医像が令子先生です。

 レズ・ホモ・シーメールについて、館淳一は「異常ではない。性戯だ」と書いています。
「女医・秘密診察室」と「女医令子・姦虐病棟」は館淳一の作品でも人間そのものの 在り方の認識をくつがえす大傑作だと思います。
 館淳一の代表的な作品と言っても過言ではありません。

 ドクトル・チコ(MLメンバー)

《作者から》

 美人で独身の女医、鷹見令子のファンは多いようです。
 彼女の原形は、実は庄司薫の『赤頭巾ちゃん気をつけて』に登場する女医さんです。
 と言っても分からない方が多いかもしれません。1969年度の芥川賞受賞作品でベストセラーになりました。
 映画化もコミック化もされているんですが、何せ昔のことですからねえ。
 でも、読まれたかたなら「ああ、そうか」と膝を打たれるのでは。(笑)
 主人公の高校生が診察を受ける女医さんというのがまことに変わったひとで、白衣の下は全裸だったりする。それで患者を診察中にスヤスヤ寝てしまう。(笑)
 この作品を読んで以来、「白衣の下は全裸の女医さん」というイメージがトラウマ的に頭に焼き付いて離れなくなってしまいました。(笑)

 何だか、この解説は笑いすぎているな。(笑)
 館淳一のキーワードは何か、というと、一つは「窃視」でした。
 では、もう一つは何か、というと、実は「インポテンツ」です。
 インポテンツの主人公なんか、絶対ポルノに出しちゃいけないんですが、ぼくはほとんどの作品に登場させています。インポテンツ・フェチ。(笑)  女医とインポテンツに悩む男。結びついて作品が出来るのは、これはもう必然でした。まず短編があり、それを核として、女医令子が生まれました。「白衣の下は全裸」女医の理想像。(笑)

 そして内分泌異常によって男性化が抑制されてしまった美少年・悠。
 シーメールになるために生まれてきたような美少年を、令子女医は平気でそうなるように仕向けてしまいます。おまけに彼を男に抱かせて自分が利益を得る。考えてみれば、医師法違反ばっかりやってる、とんでもない女医なんです。

 そんな極悪女医さんが理想のシーメールを思いきり弄ぶ、痛快きわまりない医学・ミステリ・サスペンス・SMポルノです。

《書誌情報》

本書はフランス書院よりフランス書院文庫シリーズ(通算ナンバー0291)として文庫判型で刊行された。
2005年12月、幻冬舎アウトロー文庫より『触診』と改題されて復刻された。詳しくはNo.134を参照のこと。
デジタルテキストは販売されていない。




ISBN4-8296-0291-0
1990年2月10日=第一刷発行
発行=フランス書院
定価=420円(税込)

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