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カバーイラスト 井川泰年
カバーデザイン 田中保次

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カバーイラスト 浜田 和
(1993年10刷以後、カバーデザイン変更)


兄と妹 犯された蜜獣

15

愛する従妹が実の妹だったとは……
妹、麻耶の秘めやかな唇は甘酸っぱく
養母。美夏絵の熟れた唇は媚笑して誘う
けだるい夏の午後、可憐花と蠱惑花
二つの妖しい香りに欲望が沸騰していく

《作者より》

非常に珍しいことですが、この本には「献辞」が付されています。
たぶん、ぼくの本はこれだけでしょう。
目次裏に、こう記されています。

貴重な告白をしてくれたわが友、H・Kに捧ぐ――

H・Kとは、かつてぼくと同じ編集部でライターとして働いていました。ほぼ同年齢です。
非常に波乱万丈な人生を送っている人物で、週刊プレイボーイ編集者時代、赤衛軍事件にまきこまれ、犯人隠避、証拠隠滅の罪で警察に逮捕され裁判にかけられ、実刑判決を受けました。
同時に逮捕されたのが当時「朝日ジャーナル」誌の編集者だった川本二郎氏――ときけば、思い出す人も多いかもしれません。
落魄の後、ゴーストライターとして『プロ野球を10倍楽しむ法』という本を手がけベストセラーにします。ライターとしての腕はすごい。
数千万円という大金が転がりこんできましたが、たちまちのうちに使い尽くし、数年後には逆に数千万円という借金を作ります。浪費家なのだ。(笑)
その間、離婚し再婚しマメに女性を口説き、忙しい人生を送り続けています。会うたびに彼の浮き沈みの激しさには驚かされます。通常人の10倍ぐらい激しい。(笑)
その彼がまだ無名のライター時代、ぼくと話しているうち、ぽろりと洩らしたのが「実は従妹とお医者さんごっこしてるうちに……」という、よくある子供時代の話。
といっても彼のほうはかなり年上。ヘタをすれば性的虐待です。
しかし驚天動地の事態が彼を待ち受けていました。実は、彼の両親は実の両親ではなかったのです。従妹の両親、つまり自分の叔父叔母だと思っていた人が実の両親。兄に子供がいないので叔父叔母は自分の次男を兄の家に養子にやったのです。
ということは……お医者さん遊びをしてパンツを脱がせ、ペニスを……した従妹というのは、なんと自分の妹……。(*_*;)

なぜ、出生の秘密が分かったかというと、養父夫婦に、つまり養母(つまりは伯母になるわけですが)が妊娠、出産したからなのです。自分たちに実の子供が出来れば、もらいっ子に用はない、ということで、思春期の少年は叔父叔母だとばかり思っていた家に返されてしまします。これがどんなにショックなことか、想像に余りありますね。

突然に従妹が妹になり妹が従妹になるような、つまり母が母ではなくなる事態を迎えた少年が主人公となる『犯された蜜獣』は、このK君の告白がもとになって出来上がりました。献辞に嘘はありません。(笑)

ただ、これには後日談があります。本が出来てからぼくが一筆書いて贈呈した本を、なんと奥さんが開封してしまったのですね。(*_*;) その後の家庭争議はすさまじいものだったらしく、彼はボコボコにされた、ひどい目にあった――と苦情を言ってきました。
それはぼくに責任はない、と思いますが、どんなものでしょうか。(笑)

しかし作家というのは、このように親友の秘密など容赦なく作品にしてしまうのです。しかも真実より10倍ぐらいオーバーにして。
K君だって妹の○○に××したのは半分ぐらいだと言ってましたが、もちろん作品のなかではハデに、フェラチオまでさせてます。(^_^;)奥さんが「ケダモノ〜、汚らわしい!」と亭主をボコボコにしたというのも分かりますね。
うーん、やっぱりぼくにも責任はあるか……。(^_^;)

《書誌情報》

本書はマドンナメイト文庫の一冊としてマドンナ社より文庫判型で刊行された。
現在は絶版とされ、デジタルテキスト(ダウンロード本)の頒布もない。

本書のデジタルテキストは当ホームページよりダウンロードできる。




SBN4-576-86086-0 C0193
1986年8月10日初版発行
発行=マドンナ社
発売=二見書房
定価=400円

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