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カバーイラスト 新井田孝
本文イラスト カルロス・S
カバーデザイン 勝俣正希


黒いレースのニンフ

《収録作品》

『女神たちの蒼い夜』
『妄執の館』
『黒いレースのニンフ』
『赤い奸計』
『禁断の蜜戯』


《作者より》

本書は、男性主人公のM性が顕著な作品が多くて、そのせいかはやばやと絶版にされてしまった悲劇的運命の短編集の一冊です。(笑)
発表していた雑誌媒体の要請もあって、Mモノにノってきた頃の作品で、タイトルに『女神』をつけることが多かったので、“女神の時代”の作品とでも言いましょうか。女装やM男性のマニアの問いあわせが今も多い、傑作?短編ばかりなんですがねえ……。

『女神たちの蒼い夜』(初出・「S&Mスナイパー」昭和60年9月号)は、別荘地の山荘にやってきた新婚夫婦が、隣の別荘に滞在する美人女医と看護婦に誘惑され、特殊な治療によって夫の不能が回復させられる――というお話。もちろん後の『女医・秘密診察室』から始まる令子シリーズの先駆け的作品。

『妄執の館』(初出・別冊S&Mスナイパー昭和58年10月号)は、ある画家の未亡人の秘密を握った男が彼女を弄虐するというお話し。これはノーマルSM。(笑)
画家とモデル。モデルが画家の妻。この設定から長篇が一つ出来上がっています。さて何でしょうか。

『黒いレースのニンフ』(初出・S&Mスピリッツ昭和59年9月号)は、同居している兄妹のお話。
ある日、妹が兄の部屋から、偶然に秘密の手記を発見してしまう。そこには女装の趣味に耽溺するマゾヒストとしての姿が記されていた。さらに驚いたことに兄は妹に限りない欲望を抱いていたのだ……。
強烈な女装Mモノで、フランス書院文庫化に際しては、ものの見事に外されてしまいました。Mマニアのかたには熱烈な支持を受けた作品なのですが……。

『赤い奸計』は桃園書房の『月刊小説』という中間小説誌から注文を受けて書いたものです。掲載は昭和60年11月号。原題は『猫を殺した女』。たぶんこれが中間小説誌から注文を受けた最初の短編でしょう。
職場内不倫で若いOLをモノにしたはいいが彼女のストーカー的な性格にまいった上司が若い部下を使って別れる策略を実行するのだが……。
ミステリとホラーが一緒になってSMでもあるという、独特の館色が滲む佳作です。(笑)
これ以後、中間小説誌からもお呼びがかかるようになりましたが、しばらくの間は「SMモノは避けてください、近親相姦もダメです」と言われ続けていましたな。(笑)

『禁断の蜜戯』(初出・S&Mスナイパー昭和60年11月号)は、原題が『女神の臀に接吻を』。モロに強烈Mモノ。(笑)
美少年高校生が美人女教師のプライバシーを木登りして覗き見てると落っこちて気絶し、バレてしまう。その結果、女教師の奴隷にされてしまい、学校でも放課後に責められる――というお話。
もちろん文庫化に際してはフランス書院から思いきり蹴られてしまいました。(笑)

《書誌情報》

本書はスナイパーノベルスの新書版として刊行された。
絶版とされた後、フランス書院にて『美姉・凌辱計画』(リストNo.39参照)と改題されて文庫化された。
文庫化に際しては上述のように『黒いレースのニンフ』と『禁断の密戯』が外されて『被虐夢は絹に包まれて』と『美姉・凌辱計画』が入れられている。



ISBN4-88672-641-0 C0293
1986年2月5日=第一刷発行
発行=ミリオン出版株式会社
発売=大洋図書
定価=780円

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